お金をかけずに商業出版する方法

ゼロから起業して20年で培った経営的視点と業界歴30年で培った編集的視点の2つの視点で、確実にあなたを商業出版へと導き、ファンを獲得して、二冊目、三冊目につなげながら、出版した相乗効果でビジネスも加速する方法をお伝えいたします。

出版社の編集者が採用する出版企画書の書き方

本を出版しようと思ったら、絶対に必要なのが出版企画書。

しかし、編集者は非常に忙しいのにも関わらず、数多くの企画が持ち込まれています。

つまり、ひとつの企画に対して、じっくりと吟味している時間などありません。

 

編集者に出版企画書を読んでもらい、採用してもらうためには、どんな項目にどんなことを書けばいいのか…。

 

それは、出版企画書に編集者が知りたい要素、評価する要素、採用したくなる要素を詰め込み、その上でそれらのことを客観的に書く必要があります。

この記事にには、編集者が採用したくなる出版企画書の書き方を存分に紹介したいと思います。  

 

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本の出版企画書とは…

本を書きたいと思ったら、その内容を出版企画書にまとめ、出版社に売り込みます。

実は、この行為は、ある行為と似ています。

 

それは、『DMだけで300万円を投資させる』こと。

 

つまり、出版企画書を出版社に送付するには、『300万円を投資させられるDM』になっているかという視点でチェックするだけで、飛躍的に成約率が上がります。

 

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出版社は売れる企画は常に求めていますが、別に募集しているわけではありません。

そこに出版企画書を送付するということは、それはDMであり、スパムメールでしかありません。

ただ、自分にあてはめて考えると分かると思いますが、興味をそそるDMやスパムメールは読んでしまう場合もありますし、内容に納得してしまった場合、そこから購入することもあるでしょう。

出版社の人も同じです。

興味がそそれば、企画書を最後まで目を通しますし、興味がそそらなければ、破棄して返信もしてきません。

だって、DMに返信しないですよね。同じです。

 

もちろん、開けさせる工夫も必要ですし、最後まで読ませるだけの魅力ある内容でなくてはなりません。

 

300万円を投資させるというのも、書籍の原価が250万円~300万円といわれていることに起因します。

つまり、出版社は250万円~300万円を投資して、どれぐらい回収できそうな企画なのかを企画書から読み取ります。

実は、出版企画書は、その根拠と信憑性を確認するための資料といっても過言ではありません。

企画の面白さや独自性、先進性なども根拠の一つなのです。

 

そして、企画書を送付したときのメールの文面やメールマナーに300万円を投資する先としての資質や信頼性を見られていることも意識してください。

 

よく、出版業界の人脈やコネがあると出版は決まりやすいと言われます。

それは、きっと事実です。

なぜなら、その紹介者や企画を持ち込んでくる弊社のような出版プロデューサーや編集プロダクションというのは、出版社からしたら、保証人のような存在だからです。

300万円を投資する場合、保証人の有無は大きいですよね。それと一緒です。

 

また、「企画書を送ったのに連絡がこない」とか、「状況確認の電話をしたら態度が悪い」などとも言われます。

でも考えてみましょう。

あなたが送ったのはDMやスパムメールのようなものです。

DMやスパムに返信しませんし、業者から「お送りしたDMはよんでいただけましたか?」と電話があったら鬱陶しいはずです。

 

こういう仕事をしていると、よく思うのですが、出版社は営利団体です。

決して特別な業界ではありませんし、冷たいわけでも、閉鎖的なわけでもありません。

自分たちがした行為を客観的に捉え、受け取る側の心情を常識的に理解しようとすれば、自ずと分かるはずです。

 

なので、是非、『DMだけで300万円を投資させる』という思考で企画書を作成してください。

そうすれば、きっと良い企画書ができるはずです。

 

企画概要では「あんた何様?」と思われないことが大事

企画概要には、読んで字の如く、この企画の概要を書かなければならないのですが、そこに「あんた何様?」と言いたくなる文面をよく見かけます。 もちろん、出版企画書なので、専門家としての考えを書かなければなりません。 だからといって、読み手は何も知らないド素人に教えてやるというスタンスはいかがなものでしょうか?

 

読み手は出版社の編集者ですから、企画を採用するかどうかの決済者でもあるわけです。 なので、その編集者に教えてやるのではなく、理解してもらうという姿勢でなくてはなりません。 ただ、逆にあまりに謙虚だと、著者として自信が無いと思われてしまうので、ここはバランスが大切です。

 

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もし、そのバランスが難しいと思うのであれば、周りの人の意見に摩り替える方法もあります。

 

たとえば、「私の周りでは、こういう意見が多いので、こんな企画を立ててみました」とか…。

 

この「周り」も、ある程度の説得力がもたせられる立場の人である必要があります。 自分の意見として書くから角が立つのであって、周りに言われていることにしてしまえば、自分では思っていなくても事実として話すことができます。 そうすることで、比較的、角は立たないはずです。

 

いずれにしても、あなたの企画書を読む方が「あんた何様?」と思うことがないように注意してください。

 

出版企画書の著者プロフィールについて考えよう

出版企画書に書く「著者プロフィール」という項目では、執筆するあなたがどういう人間なのかを伝えなくてはなりません。

そのためにも、まずは著者であるあなたの得意な分野、専門的な分野を明確にし、その裏付けを提示しましょう。

 

その上で、あなたが立てた企画の内容を書くに値するだけの説得力を持てるかどうかが重要になります。

 

では、まずはあなたの今の肩書きやポジションを明確にしてください。

何の実績もない無名の著者なのでは、読者はあなたが書いた本の内容を信用できません。

しかし、同じ無名であったとしても、肩書きに「○○研究家」とか「●●コンサルタント」などの肩書きがあるだけで、何となく信用できてしまうことでしょう。

 

そういった、読者への説得力というのは想像以上に重要で、この肩書きがあるのと、ないのとでは企画の進行可否にも大きく影響いたします。

もちろん、士業のような資格名的な肩書きが理想ですが、自己申告でいえるような肩書きでも構わないというのが実情です。

他にも「元~」といった肩書きでも構いません。

いずれにしても、ご自身を自らブランディングして、読者への説得力を増すような工夫してみるとよいでしょう。

ただし、あまり大げさな肩書きは、胡散臭さが増し、逆効果になりますので注意が必要です。

 

今の肩書きやポジションを明確にしたら、次は、そこにいたる経緯や経験、実績を整理しましょう。

ここでも、やはり読者への説得力が求められます。

本を書いていただくわけですから、何よりも実績がなくてはならないと思ってください。

出版してどうにかなりたい人が多いですが、本来、出版というのはどうにかなれた人が出せるものな訳ですから、実績がなければ書く資格がないと言われても仕方ありません。

ただ、起業直後で、実力もあり、前職での実績は十二分にあるもののその実績は使えないという事情がある場合もあります。

そういう場合は、経歴を書いてアピールしましょう。

ただし、経歴というのは履歴書なわけではありませんから、今までの自分の人生の中から、今回の企画に関係する部分だけを抜き出して書くようにしてください。

経歴などを書く場合に、「元~」というのを書くのは効果的です。

逆に、「○○氏に師事」「〇〇氏がメンター」などと書くと、〇〇氏にオファーされるので、注意してください。

他に、民間資格が乱立している昨今ですが、あまりメジャーじゃない資格を列挙するのは、逆効果になりますので、注意するようにしてください。

あと、自分のことを客観的に書かなくてはならないため、たまに自分のプロフィールに「イケメンコンサルタント」など、大袈裟な表記を書かれる人が多く見受けられます。

そういう場合、出版社の編集者ににそのまま企画書を見せると、間違いなく、「この人は何様なの?」と言われますので気をつけましょう。

もし、どうしても、そういうコトを書きたいのであれば、「私はこういう実績があり、周りにはこう呼ばれております」と周りの人の意見として書くようにしてください。

自分で言うから角が立つのであって、周りに言われていることにしてしまえば、自分では思っていなくても事実として話すことができます。

そうすることで、比較的、角は立たないはずです。

ただ、あまり謙虚だと、著者として不適切だと思われてしまうので、バランスに注意しましょう。

 

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次は実績についてですが、できるだけ数字を出すことをオススメします。

その数字にインパクトがあれば、より企画進行の可能性は高まります。

とくに目に見えた実績が無い場合は、ホームページのアクセス数やブログランキングの順位、メルマガの読者数でも構いません。

とにかく、具体的に示すことが重要です。

 

あとは、セミナーの開催実績やメディアの露出実績、運営しているソーシャルメディアのURLなども記載しておきましょう。

これらは、全て、あなたの出版した場合における販売力のチェックに使われす。

もし、集客人数が少なかったり、あまりメジャーではないメディアだったり、読者・フォロワー・友達などが少ない場合は、あえて書かないという選択をするのも手だと思います。

 

最後になりますが、たまに著者プロフィールに写真を貼り付ける方がいらっしゃいますが、個人的には写真は不要だと考えます。

 

最終的に書き上げた著者プロフィールから、今回の企画の内容を書くに相応しい内容になっていることが重要です。

その上で、あなたの能力、意気込み、信念、信用、優位性などが読み取れ、読者にも興味を持ってもらえる著者であると印象付けることができれば理想的です。

 

著者プロフィールの写真は損することはあっても得することは少ない

最近、弊社に届く出版企画書を見ていると、著者プロフィールに自分の写真を貼ってくる人が非常に増えてきました。

たぶん、あちらこちらの出版プロデューサーがそういう指導をされていらっしゃるんだと思います。

 

しかし、私は、出版業界で20年以上も編集者として活動してきましたが、ただの一度も著者の写真を要求されたことはありません。

逆に、写真が貼られた出版企画書を持って行って、苦笑されたことはしばしば。

写真が決め手になって出版が決まったことなんて皆無です。

 

で、先日、思い切って、出版社の編集者60人にアンケートを取ってみました。

 

「出版企画書のプロフィール欄に写真は必要なのでしょうか?」

 

回答で圧倒的に多かったのは、「全く影響しません」という回答。

ただ、話しを聞いてみて分かったのは、男性と女性で写真の持つ意味が違うということでした。

 

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男性の場合、「この人が書くんだぁ~」レベル。

つまり、写真には全く効果はありません。

逆に、写真を見た時に不愉快だった場合、どんなに企画が良かったとしても、それで落とすことはあるそうです。

もし、写真を貼るのなら、ちゃんとカメラマンさんに撮ってもらいましょうね。

スナップ写真は厳禁です!

 

女性の場合、重要なのはやはり“容姿”です。

この容姿というのは、カワイイとかキレイというわけでも、担当者の好みかどうかというわけでもありません。

出版社が重要視するのは、“表紙”や“帯”に写真を掲載して、売上に効果を発揮するかどうかということ。

ただ、たとえ“表紙”や“帯”で使えるといっても、100点満点中80点の出版企画書が85点になるぐらいの話しだそうです。

 

つまり、著者プロフィールに写真を貼ることを指導される出版プロデューサーは多いようですが、それを真に受けて写真を貼った企画書を送ったとしても、実際には損することはあっても得することは少ないようです。

 

出版企画書の販売協力(販売促進)を考えよう

これからは、著者が本を売る時代になってきました。

ただ、著者が本を売るということは、出版社の役割が軽くなるということでもあります。

 

そこで、企画書の販売協力という項目に、あなたができる販促活動について書いてみましょう。

この項目が充実すると、企画は通りやすくなります。

 

販売協力の内容には大きく分けて2つあります。

  • 原価を下げる提案
  • 売上を上げる提案

つまり、投資額である原価を下げる提案と書籍を売って投資額を回収しやすくする提案ということです。

私の経験則ですが、出版社が喜びそうな条件は、以下の通りです。

 

原価を下げる提案

印税率を下げる

印税率は、出版社ごとに決まっておりますが、その率をこちらから下げる提案をすること。

 

印税を実売印税にする

初版の印税は、刷り部数に対して支払われますが、それを実際に売れた部数に対して支払ってもらうことにより、出版社のリスクを軽減すること。

 

買い取り

刷った部数のうち、何部かお金を出して買い取ること。

ただし、1000部以上でないと、出版社にとって魅力のある条件とはいえません。

 

持ち出し

自ら原価の一部を負担すること。

 

出版記念セミナーの開催

出版社主催のセミナーを無報酬で行い、その収益を原価に充当してもらうこと。

 

回収しやすくする提案

著者キャンペーン

著者が自ら購読者に特典を提供して、知人などに購買を促すこと。

著者がメルマガを発行していて、多くのメルマガ購読者がいる場合に有利となる。

 

広告出稿

アフィリエイターやメルマガ発行者に協力してもらい、書籍の紹介をしてもらうこと。

もちろん、新聞などへの広告出稿の費用を負担してもよい。

 

読者特典

読者限定サービスとして、CD-ROMに価値のあるコンテンツを収録したり、メールサポートを行うこと。

 

でも、やはり話しが早いのは、回収しやすくする提案です。

ここを充実させないと、「自信ないの?」と思われてしまいますからね。

 

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そこで、「アマゾンキャンペーンで1000部は売ります。売れ残ったら買い取ります。」と言ってみてはいかがでしょうか?

 

そうすることで、出版社としては、1000部の販売を確保することになりますので、企画を通す敷居は間違いなく下がります。

これは、著者のアドバンテージになるはずです。

 

もちろん、出版社のやり方では売れなくなってきているものの、出版社はそれでも同じコトを繰り返します。

それは、今までと同様に人やモノが動くということなので、今までと同様の原価は掛かります。

なので、そういうことを言っても条件は変わることはありません。

 

それでも、企画は通りやすくなり、出版への目標は、間違いなく近づくはずです。

もし、キャンペーンで1000部以上売る自信のある方は、挑戦してみてはいかがでしょうか?

 

ただし、私の経験上、1000部はかなり大変だと思いますが…。

 

読者にとって魅力的な特典を提供することにより、書籍の売上に貢献する。

進行可否が微妙な企画について、このような条件提示は非常に有効なので、企画書にこういった条件を書いておくと良いでしょう。

 

出版企画書の類書について考えよう

企画書の「類書」では、すでに刊行されている同じテーマの本の売れ行きをチェックして、そのテーマの本の市場規模を確認するための項目です。

 

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なので、類書があるのであれば、その類書は売れているのか、そして、売れているのであれば、その類書よりも売れる本になるかがポイントになります。

 

まずは、Amazonなどでテーマになるキーワードで検索してみましょう。

 

同じテーマの類書が1冊しかなく、その類書が売れていて、しかもできが悪ければ、その企画は通る可能性が高いでしょう。

それは、リスクを負って新たな市場を開拓するよりも、売れている類書をより売れる形に改善して二匹目のドジョウを狙う方が、ある程度の市場規模や売れ行きもイメージできますし、リスクが少ないと判断されるからなのです。

また、類書があまりに多い場合や類書が売れていない場合は、企画は通る可能性が低くなります。

なので、もし、類書が数冊(3冊~5冊)しかなかった場合、その類書を企画書に列挙して、その類書それぞれの長所と短所を分析し、自分の企画にはどう反映し、どう差別するのかを書いておいてください。

その場合にAmazonのレビューを参考にするとよいでしょう。

 

逆に、類書がない場合には、類書がない理由を考える必要があります。

「類書がないので、この本は売れる」というような文言を企画書にかかれる方がいらっしゃいますが、それはあまりに短絡的です。

 

我々、出版業界の人間は、常に企画を考えています。

それなのに類書がないということは、どういうことなのか考えてみてください。

 

一つは、出版業界の人間には考え付かない企画。

そして、もう一つは、出しても売れそうにない企画。

 

だいたい、この二つが理由です。

 

しかも、ほとんどの場合が、二つ目の理由であることが多いのです。

つまり、素人考えの「類書がないので、この本は売れる」という理屈は、通用しません。

 

先にも書きましたが、我々、出版業界の人間は、常に企画を考えています。

 

ということは、よほどの切り口でない限り、思いつく切り口であり、それが書店で販売されていないということは、二つ目の企画に該当したということなのです。

 

もちろん、一つ目に該当する場合もありますので、すべてがすべてではありません。

 

そして、その場合は、比較的スムーズに企画は採用されることでしょう。

 

企画を考える場合は、是非、客観的に「類書がない理由」を考えてみてください。

無理に独自性の高い「類書がない企画」を考えるよりも、書店で売れている書籍を探して、その書籍をより売れる形に改善した企画を考えた方が、出版への近道かもしれません。

 

ちなみに、出版業界では、「類書が無い企画」よりも「類書が一冊しかなくて、その本が売れている企画」の方が企画は採用されやすい傾向があります。

つまり、リスクを負って新たな市場を開拓するよりも、売れている類書をより売れる形に改善して二匹目のドジョウを狙う方が、ある程度の市場規模や売れ行きもイメージできますし、リスクが少ないと判断されるのです。

 

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無理に独自性の高い「類書が無い企画」を考えるよりも、書店で売れている書籍を探して、その書籍をより売れる形に改善した企画を考えた方が、出版への近道かもしれません。

 

読者目線で企画が考えられているか確認しよう

出版企画書を読んでいると、企画書としてもの凄く完成度の高い場合があります。

もちろん、それだけ完成度が高いので、企画はすぐに通り、出版されました。

 

しかし、その本が売れません…どういうコトなのでしょうか?

 

当たり前のことですが、どんなに企画が秀逸でもその本を求めている読者がいなければ、本は売れません。

 

どういうことかというと、例えば『士業のためのネットで集客する方法』という企画があったとします。

集客に困っている士業の方を対象に、インターネットで集客する方法を解説する内容です。

ターゲットも明確ですし、内容も面白い。

でも、ダメなんです。

というのも、士業の方は集客で困っていても、インターネットで集客しようとはなかなか思いません。

つまり、思っていないので、この本が書店に置いてあったとしても、この本と巡りあうことはないんです。

読めば役立つ内容であっても、読者と巡り合わないのですから、意味が無いというコトになります。

 

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実は、こういう事例はたくさんあります。

 

デジカメの写真をしっかり整理したり、バックアップするべきなのに、ユーザーはそこに危機感を持っていない。(問題に対して読者が問題視していないパターン)

 

ある病気の対処について役立つ内容なのに、発症期間中は本を読める状況にない。 (問題に対して読者が答えを探していないパターン)

 

インターネットで検索数が多いが、インターネットで調べて事足りるため、書店にその悩みを解決しに行かない。 (問題に対して読者が書店に答えを求めていないパターン)

 

などなど。

 

『読者がそこに悩みを持っていて、その解決策を書店に求めているかどうか』この思考が凄く重要なのです。

基本的で、当たり前なことですが、企画書の完成度があまりに高いと、その視点が欠落していても出版社の編集者も「この企画、何だか売れそう」と錯覚してしまいます。

 

ただ最近では、どこの出版社も数々の失敗と反省、分析を繰り返し、今では、この思考をとても重視しているように感じます。

 

企画書ができたら、出版社に売り込む前に、是非、『読者がそこに悩みを持っていて、その解決策を書店に求めているかどうか』という思考で見直してみてください。

 

 

 

本の企画を出版社に売り込みする方法

出版企画書や原稿の用意ができたら、今度は出版社に売り込まなければなりません。

しかし、実際に出版社に売り込もうと思うと、そこには大きなハードルがあったりします。

 

まずは、どこにどうやって連絡をして、何を伝えればいいのか?

出版社に伺うことになった場合、何を持って、どんな会話が交わされるのか?

その時に相手をしてくれる編集者はどんな人で、どんなことを考えているのか?

 

そういうコトって、気にはなりますが、全く分からない未知の世界。

でも、分からないから臆するのであって、知ってしまえば大したことではありません。

 

この記事では、実際に本の企画を出版社に売り込みする方法について書こうと思います。

是非、参考にしてみてください。

 

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出版社選びがあなたの企画の売れ行きを左右する

あなたが自分の企画を出版社に売り込む場合、その企画を持ち込む先を選ばなくてはなりません。

3000社あると言われている出版社から、どう選べば良いのかを紹介します。

 

まずは、あなたが考えた企画は、書店に置かれた時にどこのコーナーに置かれるかを考えてみてください。

そのコーナー名こそが、あなたの企画のジャンルということになります。

そして、書店のそのコーナーにどこの出版社の本が一番多く置かれているかを見て確認してください。

大手出版社は総合的に本を出していますが、意外と苦手なジャンルはあります。

逆に中小の出版社の場合、あるジャンルに特化している場合が多いです。

企画を売り込む場合のポイントとしては、自分の立てた企画に強い出版にその企画書を持っていかなければ、一蹴されて終わりますので、必ず書店のコーナーをチェックしてから売り込むようにしてください。

 

ただ、そのジャンルの本を扱っていたとしても、あなたが立てた企画の切り口を受け入れてくれる出版社なのかどうかも確認した方がよいでしょう。

 

投資の企画を例にすると、分かりやすいかもしれません。

投資の企画の場合、大手の出版社が出している本を読んで稼げそうな気になりますか?

基本的なことは学べそうですが、稼げそうな気はしないと思います。

逆に中小の出版社が出している投資本はいかがでしょうか?

何だかきな臭いけど稼げそうな感じはしそうですよね。

これを「この出版社は、まだ稼げそうな企画を出していないから狙い目」などと判断して、売り込みに行くとやはり一蹴されることでしょう。

それなりにそのジャンルで既刊書がある出版社であれば、「出てない」のではなく、「出さない」という判断をしたと考える方が無難です。

 

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もし、あなたの企画が本になった場合、その本が売れるかどうかを考える上でも、出版社選びは重要です。

 

全国に書店は1万2000店舗と言われております。

それに対して、出版物の初版部数は4000部~6000部ぐらいです。

しかも、大きな書店では、平積みということで10冊ぐらい置いてあったりしますので、全国の書店に行き渡ることはほとんどありません。

そうなると、初版部数を多めに刷ってくれる出版社の方が良かったりします。

もちろん、初版部数が多ければ、印税収入も上がりますしね。

 

また、営業力のある出版社だと、書店に平積みや面陳で置いてもらったり、長期にわたって置いてもらうことも可能です。

他にもコンビニに置いている出版社かどうかを見てみるのも良いでしょう。

 

いずれにしても、これらのことは、売り場に行って確認してみるのが手っ取り早いですね。

 

出版社によって、ここの書店系列には強いとか、弱いとかもありますので、大型店をいくつも見て回ってみるとよいでしょう。

まずは、あなたの本をどういうところで売ってもらいたいかを考え、その売り場を確認し、その売り場で一番強そうな出版社を第一候補としてはいかがでしょうか。

 

出版に著書は有利か? 不利か?

出版業界では、すでに著書があり、その著書が売れたという実績があれば、比較的、簡単に二冊目、三冊目を出版することができます

 

ただし、その著書が、共同出版自費出版、電子出版では意味がありません

 

基本的に、出版社というのは、他社が出している書籍の部数は分かりませんが、共同出版自費出版だと初版部数が少ないということは知られています

必ずしも少ないわけではありませんが、「少ないだろう」という先入観で見られるため、増刷したとしても、あまり評価されることはありません

 

電子出版であれば、そもそもそれほど売れていないと思われます

かりに売れていたとしても、定価やレビューも見れますので、評価されるかどうかはすぐに判断できるでしょう

(ここでいう電子出版というのは、電子書籍だけで出版されているものを意味します。紙の出版物の電子書籍化は含まれません。)

 

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また、共同出版自費出版、電子出版の場合、お金を出せば出版できます

逆に言えば、共同出版自費出版、電子出版をしたということは、お金を出したんだと認識されるため、実績として正当な評価は得られにくいというのが実情です

 

共同出版自費出版、電子出版をメインにしている出版社でも、たまに出版社側から依頼されて執筆する(お金を出さずに、逆に印税をもらえる)場合があります

しかし、その実態は、外からは分かりません

つまり、依頼されて執筆した原稿であっても、共同出版自費出版、電子出版をメインにしている出版社から発刊された本は、お金を出して出版したんだと思われてしまい、実績として認められづらいことになります

 

もし、お金を出してでも書籍にしたいのであれば、やや割高ではありますが、商業出版をメインにしている出版社に依頼した方が良いでしょう

どうせお金を出すのであれば、その方が結果的に実績として認められることになるはずです

 

もちろん、共同出版自費出版、電子出版を否定するつもりはありません

お金を出してでも書籍にされたい方もいらっしゃると思いますし、書籍になることを目的にされている方もいらっしゃると思います

そういう方には、共同出版自費出版、電子出版は最適な方法と言えるからです

 

ただ、あくまでもブランディングの一環として、商業出版で書籍を出そうと思うのであれば、共同出版自費出版、電子出版には関わらない方がいいと思います

 

出版業界は狭い業界

出版社は、全国に3000社以上あると言われておりますが、実際に定期的に刊行している出版社は1割り以下だと思います。

さらに、その中で、ビジネス書を刊行している出版社は?といえば、数十社ぐらいだろう。

 

そして、その数十社に多くの編集プロダクションやフリーのライターや編集者が出入りしています。

出版社の編集者も、出版社を退職したら、次の出版社に転職するか、フリーになるのが一般的なので、業界内の関係はどんどん濃くなり、そして、狭くなってしまったんだと思います。

 

なので、悪評や噂などの情報が広がるのも早いですし、何かあるとすぐに連絡が入ることも少なくありません。

だからこそ、道義上のトラブルには必要以上に気をつけて欲しいのです。

 

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実は、先日、ある著者さんから売り込みの依頼がありました。

企画書も問題ありませんでしたので、いくつかの出版社に売り込み、先方の感触に手ごたえを感じておりました。

すると、その中の一社から連絡が入り、「この人の他の企画が他の人からも届いたんだけど、どうなってるの?」と問い合わせがありました。

著者本人は、企画が違えば良いと思っていたようですが、そういう問題ではありません。

しかも、他の出版社の話しだと、売り込みを担当した方が編集者と著者を面通しした後は、直接、CCも無く、著者からメールが届くようになったそうです。

 

業界的にも、こういう話しは、非常にナーバスです。

 

まず、同時に違う人に売り込みをさせていたこと、そして、同時に違う企画を売り込んだこと、このどちらも道義上、問題があります。

とくに同時に違う企画を売り込むことは、とくに問題になります。

企画は常に著者にとって最高でなくてはならないのです。

最高は、2つあるはずもありません。

だからこそ、自分にとって会心の一撃となりうる最高の企画でなくては、先方にも失礼になりますし、もし、複数の企画を売り込んでいることがばれた場合、先方には不快感しか残りません。

たとえ、上手く複数の企画を並行させて発刊できたとしても、売れ行きが全く同じということはありえませんので、どちらの出版社もより売れた企画が欲しかったでしょうし、売れてない側はゴミ企画を押し付けられた感覚に陥るのは、必然でしょう。

あとは、紹介された後に紹介者を飛び越えて連絡をしたことも不信感を抱かれます。

 

ちなみに、同じ人が、同じ企画を複数の出版社に売り込むことは、各出版社でのトークにもよりますが、道義上、問題はありません。

 

著者になりたいという目標も理解できますし、そのためにできる限りの努力をしたい気持ちも分かります。

しかし、度が過ぎてしまい、自覚の無いままに道義に反することもあるようなので、注意してください。

 

最後にもう一度書きますが、業界は狭いので、悪評や噂などの情報が広がるのは早いですし、頻繁に情報交換もしております。

そして、隠していても、ばれることの方が多いので、本当に気をつけてください。

 

一社に断られたぐらいで諦めないことが大切

弊社で担当したある著者さんの話しです。

 

その人は、以前から出版を目指しており、友人のつてなどを辿り、ある出版社に企画を売り込みました。

しかし、企画書に目を通してくれた編集者にこっ酷い目にあわされ、出版の「夢」は叶えることができませんでした。

その後、その一件がトラウマとなり、もう出版することを諦めてしまいます。

たった一社のたった一人に言われたことを、出版業界全体のことだと勝手に思い込んでしまったようです。

 

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そんなある日、ふとしたご縁で、私はその著者さんとお会いすることになります。

 

その時に、その出版社に見せたという企画書を見せてもらいました。

企画書を見る限り、とくに問題がありませんでしたので、そのまま企画書を預かり、一字一句手を加えずに、私が他の出版社に売り込みをかけたのです。

すると、何と、一社目で興味を持ってもらえることができ、そのまま出版が決まってしまいました。

 

実は、こんなコトはよくある話しです。

 

企画書に対する評価なんて出版社ごとに違いますし、下手したら編集者ごとにも違います。

重要なのは、しっかりとした企画書を作ることです。

企画書の出来が悪くて断られたのであれば、どこの出版社に持って行っても無理だと思いますが、企画書がしっかり作られているのであれば、あくまでもその出版社ではニーズが無かったということでしかありません。

それなら、その企画にニーズがある他の出版社に売り込めばいいんです。

 

ただ、企画書の出来に対する判断や、どこの出版社がどういうニーズがあるのかという情報は、一般の方には解らないと思います。

そんな場合は、弊社のような会社に売り込みの代行を依頼するとよいでしょう。

 

出版コンサルタントや出版プロデューサーの実態

出版を目指そうと思った場合、ネットで調べると必ず出てくるのが、出版プロデューサーや出版コンサルタント

他にも、出版コーディネーターに出版コンシェルジュ、出版アドバイザー、出版オーガナイザー、出版コーチ、出版請負人、ブックコンサルタント、出版演出家…と、いろいろな肩書で似たようなお仕事をされているような人たちもいっぱいいらっしゃいます。

 

でも、その実態はというと、あなたと出版社との橋渡しをするのがメインです。

つまり、出版ブローカーといったところではないでしょうか。

 

中には、本当にひどい人もいらっしゃいますので、この記事では、ヘンな人に騙されずに、ちゃんと出版できるように、そういう人たちの実態について紹介していきます。

 

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出版コンサルタントや出版プロデューサー選びの注意点

最近、出版プロデューサー、出版コンサルタント、出版コーディネーターに出版コンシェルジュ、出版アドバイザー、出版オーガナイザー、出版コーチ、出版請負人、ブックコンサルタント、出版演出家…などなど、いろいろな肩書きを名乗る人が増えています。

ほぼ、同じ職務内容だと思いますが…。

 

先日、私があるブログの運営者に「出版しませんか?」という旨のメールをお送りしたのですが、「自費出版ですか? 情報商材ですか? どちらも興味ありません」という返信が届きました。

もちろん、ちゃんとした商業出版のオファーで、企画も通っていて、あとは書き手を探していたという状態だったので、ご了解をいただいた瞬間に著者になることが決定だったんですけどね。

こういう返信がいただけるというのは、何とも世知辛い世の中になってしまったものです。

 

確かに詐欺的手法で著者にアプローチする自費出版会社や、出版と言いながら契約したら情報商材だった話しなどを、よく聞きます。

インターネットの普及で商業出版へのチャンスだけではなく、それ以外の悪徳会社からの魔の手に晒されるリスクも増えてきたように思います。

 

ただ、今回は、そういう出版を語った商業出版以外の業者の話ではなく、実際に雨後の筍のように増え続けている出版コンサルタントや出版プロデューサーなどの職種の方々から優秀な方を見分けるポイントをお話しします。

 

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ポイントは大きく分けて3つです。

 

○その出版コンサルタントや出版プロデューサーの経験、実績

(点数、出版社、著者、代表作、得意ジャンル)

 

○その出版コンサルタントや出版プロデューサーのキャッシュポイント

(サービス内容と報酬、支払い条件、メインのキャッシュポイント)

 

○その出版コンサルタントや出版プロデューサーの職務範囲

(企画書チェック、出版社への売り込み、執筆時のフォロー、販促のサポートなど)

 

あまり具体的に書いてしまいますと、個人攻撃に成りかねないので、このくらいにしておきますが、とにかく、これらをよく検討したうえで、お願いするようにしましょう。

それでも、最終的には会って、その人の成りと佇まいなどで最終判断することをオススメします。

 

出版コンサルタントや出版プロデューサーは編集ができません

世の中にはたくさんの出版コンサルタントや出版プロデューサーを名乗る方がいらっしゃいます。

他にも、出版コンシェルジュ、出版コーディネーター、出版アドバイザー、出版エージェント、商業出版の専門家、出版請負人、著者・作家支援オーガナイザー、出版演出家、ブックコンサルタント、出版コーチといった肩書で活動している人も…。

ただ、一般的にこれら出版コンサルタントや出版プロデューサーの類の肩書は、出版希望者と出版社とを仲介するのがお仕事です。

 

つまり、仲介して、採用されれば、彼らのお仕事は終了となります。

 

しかし、著者にとって本当に大変なのはその先です。

原稿の書き方、行き詰った時のアドバイス、原稿のクオリティチェック、出版社との段取りや役割分担、スケジュール管理、販売後のプロモーション…などなど、慣れない仕事の連続で、不安になったり、心細くなったりの連続です。

そこで仲介してくれた出版コンサルタントや出版プロデューサーの類の方々を頼ろうにも、彼らの職務は終了しているので、そういった諸問題には自分自身で乗り越えなくてはならないのです。

 

本来なら、そこまでキッチリとサポートするべきだと思いますし、そうすることで回避できるトラブルはたくさんあります。

しかし、残念ながら、現状で出版コンサルタントや出版プロデューサーの類を名乗っている方々の多くは編集ができません。

理由は簡単。

そもそも出版コンサルタントや出版プロデューサーの類を名乗っている方々は、出版業界の人間ではなく、著者さんであったり、出版社に出入りをしている業者さん、よくて出版社の営業部や雑誌編集部にいたという人たちがほとんどなので、当たり前の話しかもしれませんね(雑誌編集部の編集作業と書籍編集部の編集作業は全く違うので、書籍の編集ができるとは言えません)。

 

実際にトラブルが発生してから、私のところに相談に来られる人もけっこういらっしゃいますが、話の途中からサポートするというのはなかなか難しいものがあります。

 

まだ業界には弊社のような編集のできる出版コンサルタントや出版プロデューサーの類の存在というのは少ないのですが、出版プロデューサーを決める時には、その人が編集者としてサポートまでしてくれるのかどうかは、確認した方が良いと思います。