お金をかけずに商業出版する方法

ゼロから起業して20年で培った経営的視点と業界歴30年で培った編集的視点の2つの視点で、確実にあなたを商業出版へと導き、ファンを獲得して、二冊目、三冊目につなげながら、出版した相乗効果でビジネスも加速する方法をお伝えいたします。

本の企画を出版社に売り込みする方法

出版企画書や原稿の用意ができたら、今度は出版社に売り込まなければなりません。

しかし、実際に出版社に売り込もうと思うと、そこには大きなハードルがあったりします。

 

まずは、どこにどうやって連絡をして、何を伝えればいいのか?

出版社に伺うことになった場合、何を持って、どんな会話が交わされるのか?

その時に相手をしてくれる編集者はどんな人で、どんなことを考えているのか?

 

そういうコトって、気にはなりますが、全く分からない未知の世界。

でも、分からないから臆するのであって、知ってしまえば大したことではありません。

 

この記事では、実際に本の企画を出版社に売り込みする方法について書こうと思います。

是非、参考にしてみてください。

 

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出版社選びがあなたの企画の売れ行きを左右する

あなたが自分の企画を出版社に売り込む場合、その企画を持ち込む先を選ばなくてはなりません。

3000社あると言われている出版社から、どう選べば良いのかを紹介します。

 

まずは、あなたが考えた企画は、書店に置かれた時にどこのコーナーに置かれるかを考えてみてください。

そのコーナー名こそが、あなたの企画のジャンルということになります。

そして、書店のそのコーナーにどこの出版社の本が一番多く置かれているかを見て確認してください。

大手出版社は総合的に本を出していますが、意外と苦手なジャンルはあります。

逆に中小の出版社の場合、あるジャンルに特化している場合が多いです。

企画を売り込む場合のポイントとしては、自分の立てた企画に強い出版にその企画書を持っていかなければ、一蹴されて終わりますので、必ず書店のコーナーをチェックしてから売り込むようにしてください。

 

ただ、そのジャンルの本を扱っていたとしても、あなたが立てた企画の切り口を受け入れてくれる出版社なのかどうかも確認した方がよいでしょう。

 

投資の企画を例にすると、分かりやすいかもしれません。

投資の企画の場合、大手の出版社が出している本を読んで稼げそうな気になりますか?

基本的なことは学べそうですが、稼げそうな気はしないと思います。

逆に中小の出版社が出している投資本はいかがでしょうか?

何だかきな臭いけど稼げそうな感じはしそうですよね。

これを「この出版社は、まだ稼げそうな企画を出していないから狙い目」などと判断して、売り込みに行くとやはり一蹴されることでしょう。

それなりにそのジャンルで既刊書がある出版社であれば、「出てない」のではなく、「出さない」という判断をしたと考える方が無難です。

 

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もし、あなたの企画が本になった場合、その本が売れるかどうかを考える上でも、出版社選びは重要です。

 

全国に書店は1万2000店舗と言われております。

それに対して、出版物の初版部数は4000部~6000部ぐらいです。

しかも、大きな書店では、平積みということで10冊ぐらい置いてあったりしますので、全国の書店に行き渡ることはほとんどありません。

そうなると、初版部数を多めに刷ってくれる出版社の方が良かったりします。

もちろん、初版部数が多ければ、印税収入も上がりますしね。

 

また、営業力のある出版社だと、書店に平積みや面陳で置いてもらったり、長期にわたって置いてもらうことも可能です。

他にもコンビニに置いている出版社かどうかを見てみるのも良いでしょう。

 

いずれにしても、これらのことは、売り場に行って確認してみるのが手っ取り早いですね。

 

出版社によって、ここの書店系列には強いとか、弱いとかもありますので、大型店をいくつも見て回ってみるとよいでしょう。

まずは、あなたの本をどういうところで売ってもらいたいかを考え、その売り場を確認し、その売り場で一番強そうな出版社を第一候補としてはいかがでしょうか。

 

出版に著書は有利か? 不利か?

出版業界では、すでに著書があり、その著書が売れたという実績があれば、比較的、簡単に二冊目、三冊目を出版することができます

 

ただし、その著書が、共同出版自費出版、電子出版では意味がありません

 

基本的に、出版社というのは、他社が出している書籍の部数は分かりませんが、共同出版自費出版だと初版部数が少ないということは知られています

必ずしも少ないわけではありませんが、「少ないだろう」という先入観で見られるため、増刷したとしても、あまり評価されることはありません

 

電子出版であれば、そもそもそれほど売れていないと思われます

かりに売れていたとしても、定価やレビューも見れますので、評価されるかどうかはすぐに判断できるでしょう

(ここでいう電子出版というのは、電子書籍だけで出版されているものを意味します。紙の出版物の電子書籍化は含まれません。)

 

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また、共同出版自費出版、電子出版の場合、お金を出せば出版できます

逆に言えば、共同出版自費出版、電子出版をしたということは、お金を出したんだと認識されるため、実績として正当な評価は得られにくいというのが実情です

 

共同出版自費出版、電子出版をメインにしている出版社でも、たまに出版社側から依頼されて執筆する(お金を出さずに、逆に印税をもらえる)場合があります

しかし、その実態は、外からは分かりません

つまり、依頼されて執筆した原稿であっても、共同出版自費出版、電子出版をメインにしている出版社から発刊された本は、お金を出して出版したんだと思われてしまい、実績として認められづらいことになります

 

もし、お金を出してでも書籍にしたいのであれば、やや割高ではありますが、商業出版をメインにしている出版社に依頼した方が良いでしょう

どうせお金を出すのであれば、その方が結果的に実績として認められることになるはずです

 

もちろん、共同出版自費出版、電子出版を否定するつもりはありません

お金を出してでも書籍にされたい方もいらっしゃると思いますし、書籍になることを目的にされている方もいらっしゃると思います

そういう方には、共同出版自費出版、電子出版は最適な方法と言えるからです

 

ただ、あくまでもブランディングの一環として、商業出版で書籍を出そうと思うのであれば、共同出版自費出版、電子出版には関わらない方がいいと思います

 

出版業界は狭い業界

出版社は、全国に3000社以上あると言われておりますが、実際に定期的に刊行している出版社は1割り以下だと思います。

さらに、その中で、ビジネス書を刊行している出版社は?といえば、数十社ぐらいだろう。

 

そして、その数十社に多くの編集プロダクションやフリーのライターや編集者が出入りしています。

出版社の編集者も、出版社を退職したら、次の出版社に転職するか、フリーになるのが一般的なので、業界内の関係はどんどん濃くなり、そして、狭くなってしまったんだと思います。

 

なので、悪評や噂などの情報が広がるのも早いですし、何かあるとすぐに連絡が入ることも少なくありません。

だからこそ、道義上のトラブルには必要以上に気をつけて欲しいのです。

 

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実は、先日、ある著者さんから売り込みの依頼がありました。

企画書も問題ありませんでしたので、いくつかの出版社に売り込み、先方の感触に手ごたえを感じておりました。

すると、その中の一社から連絡が入り、「この人の他の企画が他の人からも届いたんだけど、どうなってるの?」と問い合わせがありました。

著者本人は、企画が違えば良いと思っていたようですが、そういう問題ではありません。

しかも、他の出版社の話しだと、売り込みを担当した方が編集者と著者を面通しした後は、直接、CCも無く、著者からメールが届くようになったそうです。

 

業界的にも、こういう話しは、非常にナーバスです。

 

まず、同時に違う人に売り込みをさせていたこと、そして、同時に違う企画を売り込んだこと、このどちらも道義上、問題があります。

とくに同時に違う企画を売り込むことは、とくに問題になります。

企画は常に著者にとって最高でなくてはならないのです。

最高は、2つあるはずもありません。

だからこそ、自分にとって会心の一撃となりうる最高の企画でなくては、先方にも失礼になりますし、もし、複数の企画を売り込んでいることがばれた場合、先方には不快感しか残りません。

たとえ、上手く複数の企画を並行させて発刊できたとしても、売れ行きが全く同じということはありえませんので、どちらの出版社もより売れた企画が欲しかったでしょうし、売れてない側はゴミ企画を押し付けられた感覚に陥るのは、必然でしょう。

あとは、紹介された後に紹介者を飛び越えて連絡をしたことも不信感を抱かれます。

 

ちなみに、同じ人が、同じ企画を複数の出版社に売り込むことは、各出版社でのトークにもよりますが、道義上、問題はありません。

 

著者になりたいという目標も理解できますし、そのためにできる限りの努力をしたい気持ちも分かります。

しかし、度が過ぎてしまい、自覚の無いままに道義に反することもあるようなので、注意してください。

 

最後にもう一度書きますが、業界は狭いので、悪評や噂などの情報が広がるのは早いですし、頻繁に情報交換もしております。

そして、隠していても、ばれることの方が多いので、本当に気をつけてください。

 

一社に断られたぐらいで諦めないことが大切

弊社で担当したある著者さんの話しです。

 

その人は、以前から出版を目指しており、友人のつてなどを辿り、ある出版社に企画を売り込みました。

しかし、企画書に目を通してくれた編集者にこっ酷い目にあわされ、出版の「夢」は叶えることができませんでした。

その後、その一件がトラウマとなり、もう出版することを諦めてしまいます。

たった一社のたった一人に言われたことを、出版業界全体のことだと勝手に思い込んでしまったようです。

 

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そんなある日、ふとしたご縁で、私はその著者さんとお会いすることになります。

 

その時に、その出版社に見せたという企画書を見せてもらいました。

企画書を見る限り、とくに問題がありませんでしたので、そのまま企画書を預かり、一字一句手を加えずに、私が他の出版社に売り込みをかけたのです。

すると、何と、一社目で興味を持ってもらえることができ、そのまま出版が決まってしまいました。

 

実は、こんなコトはよくある話しです。

 

企画書に対する評価なんて出版社ごとに違いますし、下手したら編集者ごとにも違います。

重要なのは、しっかりとした企画書を作ることです。

企画書の出来が悪くて断られたのであれば、どこの出版社に持って行っても無理だと思いますが、企画書がしっかり作られているのであれば、あくまでもその出版社ではニーズが無かったということでしかありません。

それなら、その企画にニーズがある他の出版社に売り込めばいいんです。

 

ただ、企画書の出来に対する判断や、どこの出版社がどういうニーズがあるのかという情報は、一般の方には解らないと思います。

そんな場合は、弊社のような会社に売り込みの代行を依頼するとよいでしょう。